ペットフードの栄養基準を定める団体「AAFCO」とは

AAFCO

主食としてのペットフードを選ぶなら「総合栄養食」という表記を確認しなければなりません。

総合栄養食とは、犬や猫が必要とする栄養基準を満たした「毎日の主要な食事」として与えるためのフードです。新鮮な水と一緒に与えるだけで、それぞれの成長段階における健康を維持することができるよう、必要な栄養素がバランスよく調製されています。

そして、日本のペットフードの栄養基準はアメリカのAAFCOという団体が定める栄養基準が採用されています。
いったいAAFCOとはどんな団体なのか、そんな疑問をもつ飼い主さんのために、今回はAAFCOについて詳しくご説明します。

AAFCOとは?

AAFCOのロゴ

AAFCO(読み方:アフコ)とは、「米国飼料検査官協会」のことです。
「The Association of American Feed Control Officials」の頭文字をとってAAFCOになります。

AAFCOはペットフードの栄養基準やラベル表示の基準、原材料の定義づけなどを行っているアメリカの民間団体です。

民間の団体ですが、構成メンバーはアメリカ連邦政府や州政府の職員でなければなりません。
アメリカの州や地域の動物飼料検査官、FDA(食品医薬品局)などの連邦政府職員、そしてカナダとコスタリカの政府代表で構成されています。

AAFCOがすること

AAFCOは「総合栄養食」と表示するために必要なペットフードの栄養基準を定めています。その他にもラベル作成の基準、原材料の定義づけ、公式用語の制定や給餌試験法の基準なども作成・公表しています。

AAFCOがしないこと

AAFCOは消費者と動物の健康を守り、ペットフードメーカーが平等な立場でビジネスを競うよう、さまざまな基準やガイドラインを設定する団体です。
ペットフードそのものを検査し、品質を証明する機関ではありません。
そのため「ペットフードの表示に関する公正競争規約」では、「AAFCO認定」「AAFCO承認」「AAFCO合格」など、誤解を生むおそれのある表示が禁止されています。

AAFCOの定める栄養基準

総合栄養食には、そのペットフードが適応する成長段階が必ず書かれています。

AAFCOの栄養基準が定める成長段階は次の2種類です。

  • 成長・繁殖期(妊娠・授乳期)
  • 成熟・維持期

また、これらの全段階の基準を満たしたペットフードは「全成長段階」または「オールステージ用」としての販売が可能です。

栄養基準の具体的な数値について知りたい方は、AAFCO2016年版についてまとめたこちらのペット栄養学会誌をご覧ください。
AAFCO2016年版における犬猫の栄養素プロファイル概要(前編)
AAFCO2016年版における犬猫の栄養素プロファイル概要(後編)

総合栄養食と表示するには?

「総合栄養食」と表示するためには各事業者が自らの責任において定められた試験を行わなければなりません。

検証方法は次の2つです。

  1. 製品の分析試験の結果を施行規則の栄養基準と比較し、栄養成分の基準に合致しているかを証明する「分析試験」
  2. 実際に給与試験を行って総合栄養食であると証明する「給与試験」

これら2つの試験のどちらかで証明されます。

総合栄養食の検証方法を知るには?

総合栄養食のパッケージには下記のどちらかが記載されているので、どの検証方法を使ったのか飼い主がチェックできるようになっています。

「この商品は、ペットフード公正取引協議会 の定める分析試験の結果、総合栄養食の基準を 満たすことが証明されています。」

「この商品は、ペットフード公正取引協議会 の定める給与試験の結果、総合栄養食であるこ とが証明されています。」

ペットフード公正取引協議会に加盟していないメーカーの場合…

ただし上記2つの表示は、ペットフード公正取引協議会が定める「ペットフードの表示に関する公正競争規約」に従う事業者のみになります。

実はペットフード公正取引協議会への加入も、「ペットフードの表示に関する公正競争規約」に従うのも義務ではなく「任意」です。
自主基準であるため、守らなくても違反などの罰則適用はありません。

ペットフード公正取引協議会に加盟しているメーカーについて知りたい方はこちらをご覧ください。
ペットフード公正取引協議会・会員一覧

もし指定のメーカーが会員に含まれておらず、総合栄養食の検証方法について知りたい場合はメーカーに直接問い合わせてみてください!

総合栄養食以外の表記

総合栄養食のいずれの栄養基準も満たしていないフードは、下記のように表記されています。

間食

ペットとのコミュニケーションをとるための手段やご褒美として与えるおやつやスナックです。
一般には、おやつ、スナック、トリーツなど、これらに類似する表現・表示がされています。

療法食

特定の疾病や健康状態にある犬や猫のために獣医療において獣医師の指導の下に食事管理をするときに与えるフードです。治療の内容に合わせてフード中の栄養成分の量や比率が調整されています。

その他の目的色

副食・おかずタイプ
  • 一般食(おかずタイプ)
  • 一般食(総合栄養食といっしょに与えてください)
  • 副食
  • ふりかけ
栄養補助食
  • 栄養補完食
  • カロリー補給食
  • 動物用栄養補助食(動物用サプリメント)

AAFCOの基準をクリアしていれば安心?

AAFCOの基準をクリアしているフード、いわゆる「総合栄養食」であれば安心といえるのでしょうか?

基本的には問題ありませんが、栄養学的には「総合栄養食」=「理想的なペットフード」とは言い切れません。
なぜなら、AAFCOはあくまでペットの健康に不可欠とみなす栄養素の最小値もしくは最大値を定義しているにすぎないからです。

たとえば、AFFCOでは成犬・維持期のドッグフードには少なくとも18%のタンパク質が含まれている必要があるとされていますが、原材料の品質と消化性によっては特定の栄養素が足りなくなる場合があります。

また、成犬・維持期の犬に成長期用(またはオールステージ用)のドッグフードを与えると、生物学的要求よりも過剰な栄養素が供給される場合もあります。

なので、パッケージや原材料をきちんと確認して、飼っているペットに合うフードを選ぶことが大切です。成長期であれば成長期用(または子犬用)と書かれたフード、成犬期であれば成犬用と書かれたフードが売っています。また、ペットフードに使用されている原材料は「原材料名」で確認することができます。

 

なお本稿は以下を参照して執筆しています。

ペットフードの種類|一般社団法人ペットフード協会
ペットフード公正取引協議会・表示について
ペットフード公正取引協議会・表示のQ&A
ペットフードの表示に関する公正競争規約 | 一般社団法人全国公正取引協議会連合会(PDF)
The Association of American Feed Control Officials
・左向敏紀、石田卓夫監修、太田光明著(2011)『ペットフード/ペットマナー検定 公式テキスト』一般社団法人ペットフード協会出版, p.38
・岩崎利郎、辻本元監修(2014)『小動物の臨床栄養学 第5版』マーク・モーリス研究所日本連絡事務所出版, p.8, p.226, pp.301-302

 

 

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