ドッグフードに含まれる添加物の種類と安全性まとめ

添加物のイメージ画像

大事な愛犬に与えるドッグフードはできるだけ体にやさしいものがいい。
そう考える飼い主さんの中には、ドッグフードに含まれている添加物に注目する方も多いのではないでしょうか?

成分表に目を通してみると、なんだか見慣れない化学物質がたくさんあって、本当にあげても大丈夫なのか心配になりますよね。

そこで今回は、ドッグフードによく含まれている添加物の種類と安全性について詳しくご説明します。

添加物とは?

「添加物」とひとくくりにされることが多いですが、実際は役割や効果によって種類がたくさんあります。

ペットフードに添加物が使用される理由は大きく分けると次の3つです。

  1. 栄養バランスを整える
  2. フードの品質を保つ
  3. 風味や外観、食感をよくする

数ある添加物の中で、甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤の6つはペットフード安全法によって用途と個別名の両方を表記するのが義務になっています。

添加物の種類

ドッグフードに含まれる添加物一覧

① 栄養バランスを整える

ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類、必須脂肪酸、ω3系脂肪酸などがあります。

栄養添加物

栄養強化剤
ミネラル類 主要ミネラル カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、イオウ、塩素
微量ミネラル 鉄、銅、亜鉛、ヨウ素、コバルト、マンガン、セレン
ビタミン類
脂溶性ビタミン ビタミンA、D、D3、E、K3
水溶性ビタミン ビタミンB1(チアミン)、B2(リボフラビン)、B3(ナイアシン)、B5(パントテン酸)、 B6、B7(ビオチン)、B9(葉酸)、B12、C
アミノ酸類 必須アミノ酸 アルギニン、トリプトファン、リジン(L-リジン)、メチオニン(DL-メチオニン)
非必須アミノ酸 タウリン、グリシン、L-チロシン、システイン

ペットフードに使用される原材料はもともと動物の肉や穀物など天然由来のものです。

しかし、そのままでは摂取できる栄養素の量にバラツキが生まれてしまいます。
また、ペットフードの製造、加工、調整、処理の段階で効果が薄れたり、失われてしまったりする栄養素もあります。

「総合栄養食」など、ペットフードの決められた栄養基準を満たすためにはミネラル類やビタミン類などの栄養添加物を使用するのが最も重要で有益な方法なのです。

AAFCO

ペットフードの栄養基準を定める団体「AAFCO」とは

2019年9月16日

② フードの品質を保つ

保存料、酸化防止剤、保湿剤、乳化剤などがあります。

保存料

保存料
ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム

カビが生えたり、細菌によってフードが腐ったりするのを防ぐために使用されます。

主に水分含有量が25~35%のセミモイスト・ソフトドライフードで使用されます。
ドライフードでは水分含有量がカビの発生を抑制できる12%以下(多くは10%以下)になっているため、使用されることはほとんどありません。

酸化防止剤

酸化防止剤
天然由来 ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物、スペアミント抽出物、ハーブエキス、クエン酸
化学合成 BHA、BHT、没食子酸プロピル、エリソルビン酸Na

脂肪と脂溶性ビタミンを安定化させて、酸化を防いだり、酸化されることで生じるフードの変質を防ぐために使用されます。

天然由来のものと化学合成の2種類があります。

同じ量を使用した場合、化学合成の酸化防止剤(エトキシキン 、BHAなど)の方が天然由来の酸化防止剤(トコフェロールなど)よりも効果がはるかに高いです。
化学合成の酸化防止剤は製造過程で失われる量が少なく、効果が長時間持続するので賞味期限をより延ばすことができます。

③ 風味や外観、食感をよくする

甘味料、着色料、発色剤、増粘安定剤、香料などがあります。

甘味料

甘味料
ソルビトール、エリスリトール(エリトリトール)

ペットフードに甘みをつけるために使用されます。

犬がおいしいと感じるのに強く影響するのは味覚よりも嗅覚なので、甘みをつけることが犬の食欲増進にどれだけ貢献するかは不明です。

一般的にドライフードの成分表で甘味料はあまり確認できません。

着色料

着色料
天然由来 カラメル色素
化学合成 二酸化チタン、食用タール系色素(赤色3号、赤色102号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2号)、β‐カロテン

原材料の産地や季節の違いによって生じる色の変化を抑え一定にするために使用されます。

しかし、犬は色覚が発達しておらず色はわからないと考えられているため、フードの色が犬の好みにどれだけ影響するかは不明です。

発色剤

発色剤
亜硝酸ナトリウム

肉に含まれる色素タンパク質のヘモグロビンやミオグロビンが加熱などによって変色するのを防ぎ、鮮やかな色を保つために使用されます。

着色料と同様に、フードの色が犬の好みにどれだけ影響するかは不明です。

増粘安定剤

増粘安定剤
カラギーナン、グアーガム、(増粘多糖類)

とろみをつけたり、しっとりとした食感を出すためにウェットフード(缶詰)で使用されます。
増粘安定剤を2種類以上使用した場合は用途名を省略して「増粘多糖類」と表示できます。

添加物って安全?危険?

ドッグフードにはさまざまな添加物が使用されていますが、「摂取するのは危険だ」という意見を耳にします。はたして本当に危険なものなのでしょうか?

添加物の使用基準

日本ではペットフードに限定された添加物というものがないため、ペットフードには、日本国内の食品添加物や飼料添加物、そしてアメリカのAAFCOやEUの添加物リストに記載されている添加物が使用されています。

ネット上には、ペットフードに限定した添加物の法的規制がないため、添加物が入ったフードは危険だ!と飼い主さんの不安を煽る記事が多く見受けられます。
しかし、ペットフードの添加物に限定した法律がないから、メーカーが添加物をいいかげんに使用している、と考えるのは短絡的です。

添加物によってワンちゃんの身に何か問題が発生した場合、メーカーには訴訟されるリスクが伴いますし、会社の存続にも破滅的な影響を与えます。メーカー側にも安全性に不安のある物質を添加することには慎重にならざるを得ない側面があるのです。

不安を煽るような記事に惑わされず、添加物が使用される目的や効果といった知識をきちんと身につけましょう!

注目すべき添加物

注目すべき添加物とは、危険な添加物というわけではなく、ネット上や飼い主さんの間で”話題になりやすい”添加物という意味です。

使用制限のある添加物

ペットフード安全法という法律によって、次の4つの添加物は上限値が決められています。

添加物名 上限値(μg/g)
エトキシキン・BHA・BHT 150(合計量)
犬用は、エトキシキン75μg/g以下
亜硝酸ナトリウム 100

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

◇エトキシキン
ペットフード安全法で使用制限があるものの、ドライフードの成分表で見かけることはあまりありません。
発がん性のリスクを心配する人もいます。

◇BHA/BHT
ヒトの食品に1954年から使われている合成抗酸化物質です。
発がん性のリスクを心配する人もいます。

これら3つの酸化防止剤は全て、日本を含めアメリカとヨーロッパで推奨されているレベルでは安全とみなされています。

合成酸化防止剤は発がんリスクばかりが指摘されて、抗酸化作用のメリットについては取り上げられないことが多いです。
フード中の抗酸化物質が不十分だと食事中の脂肪が酸化腐敗され、酸化した脂肪は嗜好性が悪くなったり、ビタミン活性が弱くなったり、体内の脂肪酸が酸化したりします。
場合によっては汎脂肪織炎や黄色脂肪炎などの臨床症状を引き起こすこともあります。

抗酸化作用を維持し、賞味期限を延ばすために、天然の酸化防止剤よりも効果の高い合成酸化防止剤が使われることもあるのです。

◇亜硝酸ナトリウム
ウェットフードでよく使用される発色剤です。
犬や猫が亜硝酸ナトリウムを多量に含むペットフードを食べると、メトヘモグロビン血症を引き起こします。

着色料と発色剤

犬は色覚が発達しておらず、色はわからないと考えられています。
メーカーはフードの色をさまざまに変えるよう工夫していますが、おそらくそれはペットのためというより飼い主へアピールすることを目的としています

合成着色料の中には発がんリスクが心配されているものがあり、毎日犬に摂取させることを心配する声もあります。
「ペットフード安全法」による使用制限は特にありません。

添加物の確認方法

ドッグフードの原材料

日本では、「ペットフード安全法」という法律によって使用した原材料は、添加物を含め全て表示することが義務づけられています。

そのため、ペットフードのパッケージに書かれた「原材料名」を確認することで、使用された添加物が確認できます。

原材料名は原則として使用量が多い順に書かれているため、重量の小さい添加物は最後の方に書かれていることが多いです。

最後に…

ドッグフードに含まれる添加物について理解が深まったでしょうか?
今回の記事が、みなさんのフード選びの参考になれば嬉しいです!

また、私個人の意見としては着色料もしくは発色剤が含まれているドッグフードはおすすめしません。
なぜなら、フードに色味をつけることは飼い主にアピールするためであり、犬のことを第一に考えていない可能性があるからです。

 

なお本稿は以下を参照して執筆しています。

ペットフードと添加物|一般社団法人ペットフード協会
安全なペットフードを供給するために | 農林水産省(PDF)
ペットフードの安全確保のために | 農林水産省(PDF)
第9版 食品添加物公定書 2018 | 厚生労働省(PDF)
用途別 主な食品添加物|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局
飼料添加物・農薬評価書 エトキシキン | 食品安全委員会(PDF)
飼料添加物・農薬評価書  ブチルヒドロキシアニソール | 食品安全委員会(PDF)
愛玩動物用飼料の成分規格の追加 | 環境省・農林水産省(PDF)
添加物(3) | 日本ペット栄養学会(PDF)
・岩崎利郎、辻本元監修(2014)『小動物の臨床栄養学 第5版』マーク・モーリス研究所日本連絡事務所出版, pp.207-209, pp.246-249

 

 

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