国産なら安心とは言えない!日本のペットフード規制の問題点

飼い主さんの中には、「国産」のペットフードなら安心だと思っている方は多いかと思います。

しかし、先日このようなニュースが報道されたのをご存知でしょうか?
ペットフードから「サルモネラ菌」、14匹死亡か 食品ではなく「生活用品」扱い

実は、北海道の製造業社「ノースペット」が販売していた「犬・猫用ササミ姿干し 無塩」という商品にサルモネラ菌が混入しており、それを食べた15匹のワンちゃんが亡くなってしまったのです。(2019/9/03時点)

私が思っている以上にメディアでは大きく取り上げられなかったため、知らなかった方もいるかと思います。

こんな事件を聞くと、国産ペットフードの安全性について気になりますよね?
実際に、海外と比べると日本のペットフード規制は遅れているのが現状です。

今回は、日本のペットフード規制の概要をかんたんにご紹介し、海外と比べて日本ではどこに問題があるのかお伝えします。

日本のペットフード規制

日本の国旗

日本では2009年にペットフード安全法(愛玩動物用飼料の安全性の確保に関する法律)がつくられ、農林水産省環境省が共同でペットフードを規制・管理しています。

農林水産省
ペットフードの安全関係(ペットフード安全法 事業者のみなさま向けページ):農林水産省

環境省
環境省_愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法) [動物の愛護と適切な管理]

省庁以外には、独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)という団体があり、農林水産省と連携して国の指示のもと、ペットフードの製造業者や輸入業者などに対して、抜き打ち・無通告による立入検査を行っています。

立入検査の結果に関しては、公式HPの「試験結果の公表」で確認できます。

また、事業者によって構成されているペットフード公正取引協議会という団体がペットフードの表示などに関して独自に規制を設けています。

 

日本の2つの問題点

日本と海外

実は、日本のペットフード規制には海外と比べると心配な点がいくつかあります。

ペットフードは「食品」ではない

日本では、ペットフードを法的に「食品」として扱っていません。

ペットフード公正取引協議会の公式HPには次のように書かれています。

ペットフードは、食品ではありませんので、食品関連の法令(食品衛生法、JAS法、健康増進法等)による規制は受けません。

出典:ペットフード公正取引協議会・表示のQ&A

このようにペットフードは食品関連の法令を受けないため、人間の食べ物と比べて規制がゆるくなっている印象を受けます。

たとえば、添加物の規制基準を見てみると、ペットフード安全法では酸化防止剤としてエトキシン、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)の使用が上限値を設定して許可されていますが、人間の食べ物を規制する食品衛生法では許可されていません。

(食品衛生法のもと使用できる添加物は、日本食品化学研究振興財団の公式HP「指定添加物リスト」で確認できます。)

海外との比較

日本と比べ、海外ではペットフードをどのように取り扱っているのでしょうか?

アメリカのFDA(食品医薬品局)の公式HPには、

The Federal Food, Drug, and Cosmetic Act (FFDCA) requires that all animal foods, like human foods, be safe to eat, produced under sanitary conditions, contain no harmful substances, and be truthfully labeled.

(連邦食品・医薬品・化粧品法(FFDCA)は、人間の食品と同じように、すべての動物性食品は安全に食べられ、衛生的な条件下で生産され、有害物質を含まずに、嘘偽りのないラベル付けを要求しています。)

出典:Pet Food | FDA

と書かれています。

同様に、ヨーロッパのFEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)の公式HPを見てみると、

Just as human food, pet food is highly regulated to guarantee the highest standards of hygiene, safety and quality.

人間の食べ物と同様に、ペットフードは衛生、安全、品質の最高水準を保証するために高度に規制されています。)

出典:Legislation - FEDIAF

と書かれています。

さらに、

Animal proteins must come from animals that have been slaughtered under veterinary supervision or controlled fish or seafood and meet the very high standards of EU legislation.

(動物性たんぱく質は、獣医の監督下で屠殺された動物由来のものか、管理された魚や魚介類でなければならず、EUの法律の非常に高い基準を満たしていなければなりません。)

出典:Animal proteins used in EU pet food - FEDIAF

を読むとわかる通り、ペットフードに使用される原材料まで高度に規制されているのです。

 

原材料名の順番は任意である

ペットフード安全法では5つの項目(名称・賞味期限・原材料名・原産国名・事業者名および住所)をパッケージやラベルに表示することが義務付けられています。

ペットフードのパッケージの表示

出典:環境省 ペットフード安全法のあらまし

そして、原材料名は原則、使用量が多い順に記載することが「ペットフードの表示に関する公正競争規約・施行規則(通称:ペットフード公正競争規約)」によって定められています。

しかし、ペットフード公正競争規約は自主基準であるため、義務ではなく「任意」です。
ルールを守らなくても違反などの罰則はなく、法的に裁かれることはありません。

環境省の公式HPにも次のように書かれています。

Q. 原材料名の記載について、順番はありますか。

A. 公正取引委員会の認定を受けた「ペットフードの表示に関する公正競争規約・施行規則」では、原材料名の表示は、使用量の多い順に記載すると定められています。ペットフード安全法では、原材料名の記載順序は特に規定していませんが、消費者に対する適切な情報提供の観点からは、原則、多い順に記載することが望ましいと考えます。

出典:環境省_ペットフード安全法Q&A [動物の愛護と適切な管理]

ただし、ペットフード公正競争規約は昭和49年から運用されている歴史の古い規則です。

ペットフードの多様化に合わせて改定されてきた長い歴史を考えると、多くの事業者はこの一般的なルールにしたがっていると信じたいものです。

心配であれば、ペットフード公正取引協議会の会員一覧を調べて、フード選びの参考にするのが良いでしょう。

海外との比較

日本と比べ、海外では原材料名の記載順序に関してどのように規制しているのでしょうか?

アメリカのFDA(食品医薬品局)の公式HPでは、

All ingredients are required to be listed in order of predominance by weight. The weights of ingredients are determined as they are added in the formulation, including their inherent water content.

(すべての原材料は、重量の多い順に並べる必要があります。原材料の重量は、本来備わっている水分量を含め、商品に加えられるときに決定されます。)

出典:Pet Food Labels - General | FDA

と書かれています。
このようにアメリカの定める連邦法によって記載順序を守ることが義務化されているのです。

同様に、ヨーロッパのFEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)の公式HPには

Pet food labelling falls under EU legislation for animal feed.
(ペットフードのラベル表示は、動物飼料に関するEUの法律に該当します。)

Most pet foods are made from a recipe using several ingredients. These ingredients will be listed under ‘composition’ in descending order of weight.
(多くのペットフードは、いくつかの原材料を使用したレシピから作られています。これらの原材料は、重量の降順で「composition(組成)」の項目に表示されます。)

出典:Understanding Pet Food Labels - FEDIAF

と書かれています。
ヨーロッパ(EU加盟国)もアメリカと同様、法律によって記載順序を守ることが義務化されているのです。

 

まとめ

日本と海外でペットフード規制を比べてみると、安全基準のチェックや高さはアメリカやヨーロッパ(EU加盟国)の方が厳しいのが現状です。

とはいえ、人間の食べ物もそうですが、いかに国が規制していてもペットの健康被害を100%防げる保証はありません。

飼い主さん自らが国によってどのような規制がされているのか事実を知った上で、納得のいくドッグフード選びができれば嬉しく思います。

安全なドッグフードの正しい選び方はこちらの記事をご覧ください。

愛犬を抱く飼い主

ドッグフードの正しい選び方 | フード選びで大切な5つの基準

2019年8月6日

 

 

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