ドッグフードに含まれるタンパク質は動物性と植物性どっちが良い?

肉を食べる狼

ドッグフードの原材料には肉や魚などの動物性タンパク質が多く含まれている方が良いとよく聞きます。
実際のところ、動物性と植物性ではどちらの方が良いのでしょうか?

結論から先にお話しすると、どちらが良い悪いというわけではなく、どちらも栄養価のある原材料です。
ただし、どちらが優れているかといえば動物性タンパク質の方が犬にとっては優れていると考えられます。

今回は、なぜ動物性タンパク質の方が優れているといえるのか、その根拠を客観的な事実をもとにご説明します。

動物性タンパク質が優れている理由

動物性と植物性を比べる前に、まずは高品質なドッグフードとは何かについてお話しする必要があります。

高品質なドッグフードとは「原材料に含まれている栄養素がバランスよく犬の体に取り込まれるフード」のことです。

つまり、大切なのは食事をとった後に、タンパク質を構成するアミノ酸などの栄養素が体の中にきちんと吸収されることです。

そのため、原材料の品質を判断するのに大事なポイントは、原材料の

  1. 生物学的価値(栄養素の種類とバランス)
  2. 消化性(吸収されやすさ)

の2点といえます。

それらを踏まえると、次の3つの点で犬にとっては動物性タンパク質の方が優れているといえます。

  • 動物性タンパク質のアミノ酸含有量
  • 動物性タンパク質の消化性
  • 肉を食べるよう最適化された犬の体

では、それぞれについて解説していきます。

 

動物性タンパク質のアミノ酸含有量

タンパク質

タンパク質はたくさんのアミノ酸がつながってできたものです。
タンパク質の種類によってアミノ酸の量や配列(並び順)、集合体の大きさや形が異なります。

食べ物に含まれる大きな分子構造のタンパク質は、消化酵素によってアミノ酸に分解されて腸から体内へ吸収されます。

そして、吸収されたアミノ酸や体内でつくられたアミノ酸から、体に必要なタンパク質が新たにつくられます。

そのため「良質なタンパク質」とは、アミノ酸の含有バランス(アミノ酸スコア)が良いタンパク質のことをいいます。

国立長寿医療研究センターのホームページに書かれている

アミノ酸の含有バランス(アミノ酸スコアといいます)が良いものは、生体内での利用効率が良く、余分な老廃物となるものが少ないので、「良質なたんぱく質」と呼ばれます。良質なたんぱく質を含む食品は、肉類、魚介類、牛乳・乳製品、卵類や大豆・大豆製品などであり、豆類以外はほとんどが動物性食品です。植物性食品である穀類や野菜類にもたんぱく質は含まれますが、例えば重要なアミノ酸が少ないなど、アミノ酸のバランスがよくありません。このような場合、たんぱく質の利用効率はそのアミノ酸の量に合わせて下がってしまいます。

からわかる通り、アミノ酸の含有バランスは動物性タンパク質の方が優れているのです。

次の表はタンパク質の種類別にアミノ酸スコアを比較したものになります。

タンパク質 AAS PDCAAS
121 118
牛乳 127 121
牛肉 94 92
大豆 96 91
小麦 47 42

出典:Protein Digestibility–Corrected Amino Acid Score | The Journal of Nutrition | Oxford Academic

※AAS(Amino Acid Score)がアミノ酸スコアです。

※PDCAAS(The Protein Digestibility–Corrected Amino Acid Score)はタンパク質の消化性を補正したアミノ酸スコアを示しています。

 

動物性タンパク質の消化性

タンパク質の消化性を比べてみても、動物性の方が植物性よりも優れていると考えられています。

次の表は、ドッグフードでよく使用されるタンパク質の消化率を比べたものです。
獣医によって作成・監修されているアメリカのペット健康情報サイト「petMD」で公表されています。

タンパク質名 消化率
卵白 1.00
肉(鶏肉、牛肉、羊肉) .92
内臓肉(腎臓、肝臓、心臓) .90
牛乳、チーズ .89
.75
大豆 .75
.72
オート麦 .66
イースト(酵母) .63
小麦 .60
トウモロコシ .54

出典:Principles of Dog Nutrition | petMD

注意してほしいのは、最下位に挙げられたトウモロコシでも「コーングルテン」などの適切に加工された植物性タンパク質であれば消化しやすくなることです。

しかし、いくら消化しやすくなったとは言え、植物性タンパク質だけでは栄養的価値が低いので、動物性タンパク質と組み合わせてバランスよく摂取することが大切です。

タンパク質の消化性についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

おやつを食べる子犬

ドッグフードに含まれるタンパク質の消化性まとめ

2019年10月6日

 

肉を食べるよう最適化された犬の体

オオカミ

犬は肉食動物でしょうか?それとも雑食動物でしょうか?

DNAの研究から、犬の先祖はオオカミであると考えられています。
オオカミは明らかな肉食動物です。

そのため、犬は遺伝的な血統によって、オオカミにとてもよく似た肉食性の特徴を持っています。

しかし、植物を全く食べない体になっているわけではありません
長年人間とともに暮らしてきた結果、犬は穀物などを食べる機会が増え、デンプンを消化する能力が向上するなど、雑食性の特徴を持つようになったことが遺伝子レベルで証明されています。

そのため専門書では、犬は限りなく肉食に近い雑食動物と定義づけられています。

注目したいのは「限りなく肉食に近い」という部分です。
つまり、犬の体が肉を食べるよう最適化されているという紛れもない証拠も未だ残されているのです。

犬の歯や消化器系が持つ特徴は、犬には肉食性の偏りがあることを明確に裏付けています。
実際に、犬が肉食性の偏りを持つことを示す事実をいくつかご紹介しましょう。

犬歯が発達している

犬歯は先の尖った鋭い歯のことで、臼歯は広くて平らな歯のことです。
ライオンが獲物を切り裂く様子、牛や馬が草を食べる様子を想像するとわかりやすいかと思います。

犬は食べ物を切り裂いて食べるための犬歯は発達していますが、食べ物をすりつぶすための臼歯はあまり発達しておらず、顎は左右に動きません。

唾液にアミラーゼが含まれない

穀物を多く食べる雑食動物や草食動物の唾液腺からは「アミラーゼ」というデンプンを分解する酵素が多く分泌されますが、肉食動物の唾液にはほとんど含まれていません。

腸内細菌の数が少ない

肉食動物は草食動物と比べて腸内細菌の数が少なくなっています。
これは肉食動物の食べ物には食物繊維があまり含まれないためです。

腸内容物1g当たりの腸内細菌数は、人の約1,000万個に対して犬は約1万個となっています。

消化管が短く、総重量が軽い

消化管の長さは、肉食動物が短く草食動物が長いという傾向があります。
これは肉と比べて植物の方が消化吸収しにくいためです。

犬の消化管の長さは体長の5~6倍と、肉食動物に近い長さになっています。
また、体重に占める消化管重量の割合は、人が約11%なのに対し、犬は約2.7~7%です。

 

まとめ

穀物など植物由来の原料がドッグフードに含まれていても全く問題ありません。

穀物にも犬にとって必要な栄養価が含まれているので、動物性タンパク質と植物性タンパク質の両方がバランスよく含まれているフードは良いフードといえるでしょう。

しかし、より高品質なドッグフードを選ぶという観点で考えると、動物性タンパク質の割合が多いほど良いと考えています。

そのため、商品のラベルを見て、原材料名の最初の方に書かれている主要原料に動物性タンパク質が多く表示されている方が品質の高いフードだといえるでしょう。

 

 

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